季節の変わり目になると、「病院にいくほどでもないけど体の調子が何となく悪い」という方のご相談が多い感じです。
そのような方は、寒い季節から暖かい季節(冬から春へ)と、またはその逆の時期に、毎年決まってさまざまな症状がでてきているようです。

 

季節の変わり目の時期は、自律神経の働きもそれに合わせて変化していきます。
寒い時期は交感神経が活発ですが、暖かい時期は副交感神経の方が活発になってきます。
反対に暖かい季節から寒い季節に変わる時期も、同じように自律神経も変化していきます。

 

その変化に体が対応できないと、自律神経のバランスが崩れて体に不調が現れやすくなってきます。

 

予防のためには

予防には、規則正しい生活のリズムと食事に注意すること。
就寝時間はできれば12時前に眠るようにして、起床時間は休みの日でも平日と同じ時間に。
食事に関しては、季節の新鮮な野菜を積極的にとるようにして下さい。

 

※人間も自然の中の一部です。その自然からの恵みである食べ物を取ることによって、自然と調和して健康に生きられるようにできています。
その土地のその時期にとれた食べ物は、その時の人間に必要な物を補ってくれています。

 

自律神経のバランスを整えるには

体調が乱れてしまった場合は、漢方薬で自律神経のバランスを整えると良いでしょう。

 

漢方では、その人の体質を観る時に大まかな感じで言うと、※「気・血・水」のバランスと ※「五臓」のどこに問題があるのかをみます。
(※気とはエネルギー、血は血液、水は体液)
(※五臓とは、肝・心・脾・肺・腎のこと)

 

自律神経のバランスを整えるとき、主に「気」と「肝」の働きに注目して考えるていきます。
「肝」の働きは、気の流れや血液の貯蔵などに関係しています。

 

良く使う漢方薬としては、逍遥散、四逆散、柴胡加竜骨牡蛎湯、抑肝散、香蘇散、半夏厚朴湯、桂枝加芍薬湯・・・などがあり、その人の体質や症状などによって使い分けます。
また、予防としてはシベリア人参などもおすすめです。

 

漢方での改善例

三〇代の女性の方で、毎年季節の変わり目になると、倦怠感と日中のダルさ、めまいなどで困っているとのことでご相談に来られました。

 

この方の体質は、気と血の働きが弱く、肝のバランスも崩れているようでしたので、それらを整える漢方を服用してもらした。
その後、体調の方は、二週間ほどでめまいが改善され、倦怠感や日中のダルさも少しずつ楽になっていきました。
この方には、症状が楽になったあとも、漢方の内容を少しずつ変えながら体質改善のためにしばらく 服用を 続けていただきました。

 

 

季節の変わり目に体調を崩しやすい方は、まずは生活のリズムと食事に気をつけながら、すごしてみてくださいね。